ローコスト住宅は3年後には違法建築? #店長流

#店長流

2023.02.12

writer
明工建設株式会社

目次

これは結構知られていない問題です

皆さんは今建てようとしている家が、数年後に違法建築だ!と言われたらどうしますか?

建てた会社を訴えましょうか?それとも違法ではないように建て替えてもらいましょうか?

それくらい大金を払って建てた家が違法だ!何て言われたら怒れてきますよね。

と言っても、この法がしっかりと整備された今ですから、そんなことはないでしょう?と思う方も多いかもしれません。

しかし、実は今建てられている家の多くが違法建築になることが実際に起こっています。

今日はそんな知られていないけれど、大きな問題である『既存不適格住宅』について話していきます。

既存不適格住宅って?

先ほど違法建築だ!って言っていた建物を『既存不適格住宅』と言います。

この言葉を簡単に説明すると、建てた際には合法だった建物も今の法の下では違法である建築のことを差します。

実例で言うと、1981年6月に耐震基準が大幅に更新されました。

そこで起きたのが、その前に建てた住宅の耐震性が1981年6月以降に必要とされた性能を満たしていないと言う問題が発生しました。

今でも中古住宅を売買する際には、この1981年6月以前の家なのか以降の家なのかで大きく値段が変わっていると言う事実もあり、この問題は大きな問題だと言えます。

その他にも、昔は住宅にもアスベストが使えましたが今では使えないとか意外にこの既存不適格住宅になってしまうケースは多くあるんです。

しかし、今まではこの問題はずっと昔やずっと未来のことでしたので、そこまで問題視されることがありませんでした。

あなたの家も2025年から既存不適格住宅になるかも?

では2025年、つまり2年後にはあなたの家が既存不適格住宅になると言われたらどのようなことが起きるでしょう?

もし2年後にあなたの家は既存不適格住宅と言われたら、築3年と言うまだ新築のような家ですが、買取や販売の額がガクッと下がります。

住むには全く問題が無いでしょうが、買う際にも売る際にもこの既存不適格であることを説明する義務があり、それを知った購入者はそんな家を買いたがらないでしょうから、どうしても値が下がってしまいます。

また、家を担保にしてローンを組む際にも評価が下がります。

その他にもまだまだデメリットがありますが、これが2025年に多くの家が既存不適格になる状況です。

それは2025年(正確には2025年度)に『新築住宅の省エネ義務化』が始まるからです。

新築住宅の省エネ義務化って?

政府は脱炭素社会に向けて、建物の省エネ化に力を入れて検討をしています。

その為に、建物の省エネ化を義務化することを実は2015年に始めようとしていました。

しかし、家を省エネ化にするためのコストUPで家が売れなくなるとビルダーが反対をし見送りになります。

その後2020年に再度となりましたが、今度は景気の問題や省エネ計算をパソコンでやるため、中小工務店が対応できないとしてさらに見送りになります。

そして3度目の正直とは言いませんが、2025年に義務化に向けて進んでいます。

今度は義務化をされると言われています。

その準備として、去年から建物の省エネ性能の説明が義務化され、今建てる住宅は省エネ性能がどのくらいであるか明示されています。

ローコスト住宅は2025年以降の省エネ性能を重視していない

しかし、今は説明を義務されているだけで、省エネ住宅であることは義務化されていません。

なので、建築をするビルダーの意向では、2025年以降の省エネ基準をクリアーせずに家を建てることが出来ます。

こういった家は2025年以降には既存不適格住宅となり、先ほど言ったような問題を抱えてしまいます。

これが数十年後とかならしょうがないと思えますが、たった2年後であると思うと、ちょっと納得いかないですよね^^;

しかし、こういったことよりも価格を重視するローコスト住宅では、今でも普通に2025年以前の性能で家を建てていきます。

もちろん違法でもありませんし、今ではお客様への説明義務もあるので、お客様が納得した上での建築でありますので何も問題がないと言われたらその通りです。

また、それを買うお客様もそういった性能とかよりも、コストを重視しているのでしょうからある意味双方同意の元に行われていることだと言えます。

そういった背景からローコスト住宅の多くが、この既存不適格住宅について重視をしていない状況です。

もちろん重視して省エネ性能が高いローコスト住宅もありますので、全てがそうだとは言いませんし、立派なお家を建てているのは承知の事実です。

なので、今回の記事はローコスト住宅を批判するものではなく、考え方の違いを説明している記事だと思って下さい。

まとめ

今回は2025年に起きる、既存不適合住宅増加問題への問題提起としての記事になります。

ローコスト住宅と名指しであげましたが、実際にはもっと多くのビルダーがこの問題の対策をしていないのが現況です。

確かに違法ではないのでなんの問題もありませんし、知識不足により悪意が無くそういった建物を建てている中小工務店さんも多くいます。

しかし、自分の家が既存不適格と言われて気持ちがいいはずがありません。

それが早ければ2025年には言われるかもしれない事実は、しっかりと知っておく必要があります。

もちろん当社の建物は基本的に2025年以降の基準で造っていますのでご安心下さい。

それでは長い記事をお読み頂きありがとうございました。

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